みちともブログ

一部上場企業でシステムエンジニアとして情報社会の第一線で15年間働き、さらにその後17年間高校教師として教育現場の最前線で子供たちの教育にあたって、さまざまな経験を積みました。社会人経験者教員としての経験をもとに、みんなの暮らしや教育の課題・悩みを解決する方法を紹介します。

プログラミング教材を使ってみて、教師・保護者の「褒めること」や「動機づけ」が重要と感じました。

f:id:michitomo2019:20200317135623j:plain

 最近の教育に関する話題の一つは、小学校プログラミング教育必修化です。

 どのように授業をすすめるのか、また、どんな教材があればいいのか、メディアでも盛んに取り上げています。

 でも、初めてなことなので、実際のところ、よくわからない保護者が多いと思われます。

 そこで、小学生のものづくり教室ボランティアや中学生、高校生に電気・情報技術を教えていた時に使った経験から、プログラミング教育や教材について解説します。

 

プログラムを書けるようにするのが、プログラミング教育の目的ではありません。

  確かに、プログラミングすることで、自然とプログラミング言語を覚え、プログラムを作ることができるようになると思います。

 

 しかし、15年間エンジニアをしていましたが、プログラムを実際に書く人よりも、物事を論理的に分析して考えることができる人の方が、会社では大切にされていました。

 

 文部科学省の資料を読むと、プログラミング教育の目的は、

  ①道筋に合わせて考えて結論を出したり、複雑な事柄をわかりやすく説明できる能力を養うこと。

  ②現在の社会がICT(情報通信技術)によって支えられていることに気が付くようにすること。

  ③コンピュータ等うまく使って身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりする態度を育てること。

 です。

  そのため、プログラミング教室やプログラミング教材などの宣伝に煽られるないで、しっかり、必要なものを見極める必要があると思います。

 

プログラミング教材には、大きく2種類あります。

パソコン画面上でキャラクターを動かすタイプ

パソコンの画面で確認しながら、プログラミングを簡単に体験できます。

 この種類の教材では、ゲームやアニメーションをパソコンの画面上で作りながら学習します。

 代表的なソフトウェアとして、「Scratch」が有名です。

 

 Scratchを試してみました。

 画面左側に用意された単純な動作のブロック(例えば、10歩動かす。10度回す。)を中央のエリアに移動させ、ブロック同士をくっつけてネコが動作するプログラムを作ります。(動かすのはネコに限りません。いろんなキャラクターを動かせます。)

 画面上で動く、ブロックのおもちゃのようです。

 また、作ったプログラムをすぐに右側の実行画面(ネコがいるエリア)で確認することができます。

 なによりも、無料で、パソコンがあれば使うことができるのがうれしいです。

 

子供自身が動くことがないので、小学校低学年だと飽きると思いました。

 小さな子供向けにかわいい猫のキャラクターを使っていて、親しみやすく取り組みやすいと思いました。

 

 でも、さまざまな動作のブロックが用意されていていろんなことができますが、目と耳への刺激だけでした。ある程度物事を論理的に組み立てることができる人は、さまざまな動作のブロックを使って自分の思考を試すことができて楽しいと思います。

 まだ、まだ論理的に考えることがあまりできない子供にとっては、パソコンの前に座り、目と耳への刺激だけで、自分自身が動くことがないので、だんだん飽きるだろうと感じました。

 

 一見、ゲーム、アニメ用のツールのように見えますが、技術的には、将来、他のプログラミング言語を習得する上で基礎となる考え方(論理的思考)をしっかり学ばせることができて、一度は体験してみる価値がある素晴らしいソフトウェアだと思いました。

 

出来上がった作品を評価してあげると、教材の効果が出ると思いました。

  子供の多くは、最初はどのようにすれば、ゲームやアニメができるのか興味を持って取り組みます。でも、ある程度操作に慣れてしまうと、興味が下がります。

 小学生ものづくり教室のボランティアをした時に、同じようなことがありました。そのときは、子供の作品を評価してあげる(いいところを本気で褒める)と、さらに良いものを作ろうとする意欲を出してやる気になっていました。

 このプログラミング教材は素晴らしい教材だと思います。しかし、小さい子供の場合、すぐに飽きてしまうことが予想されるので、教師や保護者が、子供の作った作品を評価してあげることが大切だと思います。

   

ロボット、車など物理的な動きがあるタイプ

 実際にモノを動かすので、コンピュータによる制御を実感できます。

 モーター、センサー、LEDなどの電子部品を使ったロボット、車など物理的に動くものと、その動作を制御するプログラムを作ることで、プログラミングを学習することができます。

 子供自身が手、足、目、耳を使って、実物の物理的な動作を確認しながらプログラミングできます。これは、とても、楽しいことです。

 

  例えば、次のようなものがあります。

 教育版 レゴ® マインドストーム® EV3 スタートセットA  64,460円(参考価格)

 

 ArtecRobo (アーテックロボ) 30,745円(参考価格)

 

 教育版 レゴ® マインドストーム® EV3は、を使った感想を述べます。

 モーターでもセンサーでも一つ一つの部品がしっかり作られていて(壊れにくい)、安心して使うことができます。そのため、思うように動かないときでも、部品故障を疑わないでプログラミムを修正することに集中できました。

 また、さまざまなレゴブロックがあるため、自分のイメージをかんたんに実現できました。とても、楽しかったです。

 プログラミング教育を教える側からすれば、部品不良等の対応が少なくて済み、マニュアルもしっかりしているので素晴らしい教材だと感じました。

 しかし、元エンジニアで生徒に教えていた経験からすれば、あまりにも高価で、ここまでお金をかけなくても、教材を工夫することで十分にプログラミング教育の目的を果たすことができると思いました。 

 

 

www.michitomo2019.com

 

教材効果を出すためには、作る目的を持たせることが大切です。

 ロボット、車など物理的な動きがある教材は、細かな材料がたくさんあるので、ブロック遊びが好きな子供はいいですが、中には、興味をもたないと言うよりも、やりたくない子供も出てきます。

 そのため、プログラミングに興味を持たせる工夫が必要です。

 

 中学校の技術(制御について)の授業を行った時のことです。

 地域行事にちなんだマイコン制御のライトを授業で作り、その作品を商店街の空き店舗に展示しました。空き店舗は人々が立ち寄れる場所になり、商店街の活性化に協力することができました。

 電気やマイコンの実習にはじめから積極的でないものが、生徒の中には少なからずいるものですが、この時の授業では、作る意義を感じてみんな積極的に取り組んでいました。

 人の役に立つなど、作る目的を明確にしてあげると、子供はやる気になります。

 この教材を使ってみて、同じように、教師や保護者の動機付けが大切だと感じました。

 

まとめ

 2020年度からの小学校プログラミング教育必修化にあたり、実際にプログラミング教材を使ってみて、教材の特徴、その使い方について感じたことを報告しました。

 プログラミング教材は、よく考えられていて教える側からすれば、どれも優れたものでした。しかし、私の経験では、これらの教材を子供に預けただけでは、子供はすぐに飽きて使わなくなるだろうと感じました。

 そのため、教師・保護者が褒めてあげたり、取り組む目的を引き出してあげたりすることが大切でと思いました。

 

  なお、下のサイトも参考になります。

miraino-manabi.jp